日本美術シリーズ13:司馬江漢・鏑木梅渓「草花群鳥虫図」

Culture

「草花群鳥虫図」について

双幅 絹本 着色(96×33㎝ / 175×41㎝)

司馬江漢と鏑木梅渓はともに長崎派を習得した画人であり、一時期浜松町界隈に居を構えていました。同じ画人同士、また画風を同じくする者として両者の間には交流があったことは想像に難くありません。本作には水汀に息づく生命が二人の筆で生き生きと描かれています。息をのむような緻密な筆致と鮮烈な彩色は長崎派の特徴ですが、何よりも驚かされるのは、江漢・梅渓の観察眼の鋭さです。軽やかに舞う蝶、息をひそめる蟷螂。その足の一本一本から触覚、翅の細部に至るまで、実物と寸分違わずに写し出されています。大陸からもたらされた最新の画風に衝撃を受け、それを己が物にせんとする熱い意志と、江漢・梅渓の競争心とが、執拗なまでの写実描写には込められています。

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