日本美術シリーズ12:浦上玉堂「二行書 隔葉…」

Culture

「二行書 隔葉…」について

紙本 谷川徹三箱書(本紙112×23 全体186×35cm)

歌意:蔦のような植物が絡みつき、所どころ紅葉している。嬉しいことにその蔦が、細かい棘の侵入を防いでくれている。

田能村竹田著『竹田荘師友画録』にこうある。「玉堂老人の字は古怪絶俗なり」と。浦上玉堂のその特異な書風は一見するだけで玉堂とわかるほどであると言われる。また、書が人を表すならば、その書風は玉堂の強烈な反俗精神を表しているかのようでもある。やや草書体まじりの行書体で揮毫された本作は、文字の一つ一つが個性を放ち、全体として独特のリズム感を湛えている。玉堂は「無一詩中不説琴」と詠った。琴の弦が大気を震わせやがて静寂が戻るその様を書いたようにも見え、その余韻の中に七弦琴の前に坐す玉堂の姿が見え隠れする。

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