「桜図」について

扇面台貼付 紙本 着色 「乾山遺芳」石川県美術館開館十周年記念 「琳派の芸術ー光悦・宗達・光琳・乾山ー名作展」出品 (122×66cm)
陶工として名高い乾山ですが、絵画においても優れた手腕を発揮しました。強く慕う兄の絵手本を元に、乾山は晩年にかけて自らの画才を開花させていきます。優しい筆致で描かれた墨の濃淡と、花の仄かな桃色が奥ゆかしい本作。桜とは思えないほどに幹が曲がり、大きさも非現実的であるのに、不思議と違和感を感じさせません。軽妙洒脱な光琳とは別の、世俗と一線を画すようなしみじみとした情趣。この素朴な美こそが乾山の到達した画境と言えます。
作家:尾形乾山
(1663~1743)江戸中期の陶工、絵師。京都生。名は惟允。通称は権平。別号は深省、霊海、紫翠、習静堂、尚古斎、陶隠。呉服商尾形宗謙の三男。尾形光琳の弟。陶芸は野々村仁清に学び、色絵陶器の感化を受けて絵付模様に特色を出した。絵は光琳に学ぶ。晩年は江戸に下り、寛永寺領入谷に窯を開いた。
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