日本美術シリーズ7:池大雅画・中井履軒賛「武陵桃源図」

Culture

「武陵桃源図」について

武陵桃源図

紙本 着色 山中蘭渓箱書  昭和10年12月15日大阪美術倶楽部某家所蔵品入札目録所載  昭和11年11月28日金澤美術倶楽部江州今井家並某家所蔵品入札目録所載 (132×55cm / 207×72cm)

日本文人画の祖・池大雅の画に、儒学者・中井履軒による「桃花源記」についての賛が寄せられています。本作は、大雅自身の登山をよくした経験を踏まえて、独自の遠近感と俯瞰的な構図で描かれています。山々は渇筆を重ねた輪郭線で立体感を表し、藍と代赭を施すことで山肌の陰影を付しています。また、満開の桜花は朱の点描により生動感に富み、画面から香るようです。その中を省筆で描かれた川はゆったりと流れ、観る者を桃源郷へと誘います。大雅は詩人・陶淵明による「桃花源記」の場面により、心の中に存在している文人画の本質を表現しているのではないでしょうか。

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