日本美術シリーズ9:有元利夫「作品」

Culture

「作品」について

作品

乾漆手彩色 20/20(H34cm×W24cm×D10cm)

中世の宗教画がもつ神聖さと、仏画にみられる豊かな精神性を同時に湛えた神秘的な画風で知られる有元利夫。活動期間は10年ほど。独自の作風を確立し、38歳で短い生涯を閉じました。本作は古来より仏像の製作に用いられた乾漆と呼ばれる技法で作られたもの。有元容子夫人は有元の立体作品について「絵画作品より、つくりたい形が素直にストレートにあらわれている」と評しました。自ら手を動かし様々なものを自作することを好んだ有元。木彫は制作の合間の息抜きに楽しんで彫っていたといいます。独自の造形からは、仏像の温かみと、中世の聖人像の気高さを併せ持ちながらも、どこかユーモラスな親しみやすさがにじみ出ています。

作家:有元利夫(ありもと としお)

(1946~1985)昭和の画家。岡山県生。東京芸大卒。旅行先のイタリアルネサンス期の壁画に感銘を受ける。日本画の素材を用い、風化の美を意識したフレスコ画風の作品を残した。昭和五十三年『花降る日』で安井賞特別賞受賞。膵臓癌のため三十八歳で急逝。

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